匠のことば

ながらの母ちゃん

2012年12月27日 00:02

今日は、父ちゃんこと 長楽加藤建築・棟梁 の日本建築へのこだわりと、

大工の仕事や建築方法、道具などについて、語らせていただきます。



日本家屋の建築方法は、四季や気候など日本の風土に合ったものを、

たくさんの臨床を重ねるなかで築いてきたものです。

大工仕事には、先人たちの知恵技術がいっぱい詰まっているのです!

日本の土地7割が山林という恵まれた環境にも関わらず、

家づくりに日本の木が使われにくいのは、非常に残念です。

あ、この話についてはまた後日、ゆっくり熱く語りたいと思いますが(笑)。

家大工(やだいく)による建築は、どうしても時間はかかりますので、

年間2軒ほどしか扱えません。

しかし、そのひとつひとつの工程において、

棟梁の長年の経験と知恵がたっぷり盛り込まれています。

材木の選び方削り方墨の付け方組み方など、

どれをとっても、数ヶ月でできるようになる技ではないんですよ!

鉋(かんな)での削り方の技を競う「削ろう会」という会があるのを聞いたことありますか?

文字通り鉋でどれだけ薄く幅広く長くきれいに削れるかを競う会で、

名古屋から全国に広まりました。

参加するのは大工はもちろん、家具職人木工職人大工道具を作る職人など。

ミクロの世界を競うんですね。

ただ削ればいいのではなく、木目を読み、鉋の刃を砥ぎ鉋台を調整して挑むんですが、

この鉋台の調整がまた難しいんですよ。

過去に父ちゃんも12ミクロンという記録を出したことはありますが、

削ろう会で、何と、3ミクロンという薄さの記録を出した人もいます。

鉋屑を見せてもらいましたが、新聞が透けて見える薄さでした!

どのぐらいすごいかと言われても、ちょっと、想像が難しいですよね?(笑)

Web上にも動画がたくさんアップされていますので、一度、ぜひご覧になってみてください。

削ろう会」という言葉で検索すると出てくると思います。

ちなみに、親方(棟梁)からは

「ハエがすべって転ぶぐらいに削れ!」

と言われてきたそうです。

こうやって手の鉋で仕上げた木は、頬ずりできるほど、つるつるのピカピカです。

本当に薄くきれいに削り上げた木の表面は、水滴を落とすと染み込まずに、

転がるほどなめらかになるものなのです。




このような大工のこだわりについて、時々お伝えしていきます。

お楽しみに!










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